スライスの原因は手打ちか?自分で診断する方法
スライスが何年も直らないとき、最後に行き着く疑問が「原因は手打ちなのか?」
ではないでしょうか。
結論から言うと、アマチュアのスライスには手打ち(腕と体の分離)が関わっているケースが目立ちます。
ただし、すべてのスライスが手打ち起因ではありません。
グリップやフェース向きが主因のスライスもあり、
そこを取り違えたまま手打ち向けの練習を積むと、
努力がかみ合わず遠回りになります。
そこで本記事は、直し方の手順解説をあえて一切持たず、
「自分のスライスは手打ち起因か」を自宅で判定することだけに絞りました。
多くのスイングの崩れ方の相談を観察してきたJIKU GOLF編集部が、
道具ほぼ不要のセルフ診断としてまとめます。
判定できたら、練習は原因別に専用記事へ案内します。
結論:手打ちは2つの経路でスライスを生みます
まず用語をそろえます。
当サイトでは手打ちを「切り返し以降、腕とクラブが体の回転と同調せず、
胸の正面からクラブが外れた状態」と定義しています。
腕を使うこと自体が悪いのではなく、
腕と体がバラバラのタイミングで動くことが問題、という整理です。
この分離が起きると、スライスへ向かう経路は大きく2つに分かれます。
- 体が止まり、腕だけで下ろす経路。体の回転が止まった分、クラブは外側から下りやすくなり、アウトサイドイン軌道でボールを擦る「カットスライス」につながります。
- 腕が遅れて、フェースが戻り切らない経路。いわゆる振り遅れです。インパクトでフェースが開いたまま当たり、右に出てさらに右へ曲がる「プッシュスライス」につながります。
▲ てこの原理を使って腕と体を安定させる(ゴルフは物理)(マイケルゴルフTV・日本語)
症状の見た目は逆(左に出て右へ/右に出て右へ)でも、
根っこは同じ「腕と体の分離」から出ている——
これが手打ちとスライスの因果関係です。
逆に言えば、この2経路のどちらにも当てはまらないスライスは、
手打ち以外の原因を疑うべきだと編集部は考えています。
なお、原因を確かめないまま「自分にはセンスがないのでは」と才能の問題に落とし込んでしまう方は少なくありません。
Q&Aサイトにも、
上達の停滞を運動神経やセンスの問題として相談する声が繰り返し投稿されています。
センスの前に、まず原因の切り分けです。
次の診断で確かめてみてください。
自宅でできるセルフ診断チェック7項目
クラブを振れるスペースがあれば、練習場に行かなくても判定できます。
当てはまるものを数えてください。
- 1. フルスイングだけ曲がる — ハーフスイングでは真っすぐなのに、振り幅を大きくすると右へ曲がる
- 2. 連続素振りの後半で崩れる — 止めずに5回素振りすると、後半は腕だけで振っている感覚になる
- 3. フィニッシュでへそが目標を向かない — 腕は振り切れているのに、体は正面近くに残っている
- 4. 左肘が引ける — インパクト後に左肘が曲がって体から離れる(チキンウィング)
- 5. 挟んだ物が落ちる — 両前腕の間にタオルなどを軽く挟んで素振りすると、切り返しからダウンスイングで落ちる
- 6. 動画で手元が先に動く — スマホの正面撮影で、切り返し直後に下半身より先に手元が動いて見える
- 7. 疲れるとスライスが増える — ラウンド後半や練習の終盤ほど右への曲がりがひどくなる
編集部の目安は次のとおりです。
5番に該当し、かつ他に2つ以上当てはまるなら、手打ちの関与が濃いと見てよい状態です。
5番の「挟んで振る」テストは、
腕と体が離れた瞬間に物が落ちるという物理的なフィードバックが得られるため、
感覚に頼らず判定できるのが利点です。
逆に該当が0〜1個なら、手打ちよりも先にグリップやフェース向きを疑うのが順序です。
判定の精度には個人差がありますので、複数回・できれば動画併用で確認してください。
あわせて1つ。
右への曲がりに加えて「フェースの根元に当たって右へ鋭く飛ぶ球」が混ざり始めている方は、
手打ちの崩れが一段進んだ形です。
シャンクの原因の記事で当たり所から切り分けてください。
手打ち以外のスライスとの切り分け方
診断で該当が少なかった方のために、手打ち以外の主な原因と見分け方を挙げます。
ハーフスイングでも右に出るならグリップ・フェース起因
振り幅が小さく、腕と体のズレがまだ表面化しないはずのハーフスイングでも右へ出る場合、
フェースがそもそも開いてセットされている可能性が高いと言えます。
グリップがウィークすぎる、アドレスでフェースが開いている、といった構え起因です。
この場合、矯正グッズを足す前に読んでほしい注意点をグリップ矯正器具の限界を解説した記事にまとめています。
▲ コースでスライスが出てしまう方必見・練習場でこの動きをするだけ(JLPGAオフィシャルチャンネル・日本語)
出球の方向で軌道タイプを分ける
目標方向かやや左に出てから右へ曲がるならカットスライス、
目標より右に出てさらに右へ曲がるならプッシュスライスです。
カットスライスの土台になっているアウトサイドイン軌道の見直し方はアウトサイドイン軌道の修正記事で詳しく扱っています。
クラブによって症状が変わるか
ドライバーだけ曲がるなら、
長いクラブほどフェースが戻り切るまでに時間がかかるという道具側の事情が絡むため、
振り遅れ(本記事の第2の経路)の関与が濃いと考えられます。
一方、アイアンでも同じように曲がるなら、
クラブを問わず軌道そのものが外から入っている可能性が高く、
前述のアウトサイドイン軌道側から確認するのが近道です。
診断結果別・次に進む記事の案内
冒頭でお伝えしたとおり、本記事は診断までが役割です。
直す作業は原因別に次の記事へ進んでください。
- 手打ちの関与が濃かった方 → 直し方の本体は手打ちの直し方ガイドにまとめています。意識ではなく動きの手順で解説しています。
- 複数の原因が混ざっていそうな方 → スライスの原因と直し方の完全ガイドで全体像から整理するのが近道です。
- 器具を使って矯正したい方 → 症状から練習器具を選ぶ考え方は症状別・練習器具の選び方ガイドで解説しています。
ひとつ補足すると、診断チェック5番の「挟んで振る」は、
そのまま矯正ドリルの入口にもなります。
編集部はこのテストを毎日続けられる形にするため、
両前腕に挟む専用の同調スイングボールを販売しています。
診断で手打ちの関与が濃いと出た方は、器具記事とあわせて検討してみてください。
効果の感じ方には個人差があります。
よくある質問
スライスが手打ちかどうかを一番手軽に確かめる方法は?
両前腕の間にタオルなどを軽く挟み、ハーフスイングで素振りする方法です。
腕と体が離れる動きがあると切り返しやダウンスイングで挟んだ物が落ちるため、
感覚に頼らず目で確認できます。
判定の精度には個人差があるため、本文の7項目とあわせて確認してください。
手打ちを直せばスライスは止まりますか?
手打ちが主因の場合は軌道やフェースの戻りの改善が期待できますが、
グリップやフェース向きが主因のスライスもあり、すべてのケースに当てはまるとは限りません。
まず原因を切り分けたうえで、該当する原因に合った練習を選ぶことをおすすめします。
ハーフスイングでは曲がらないのにフルスイングだと曲がるのはなぜですか?
振り幅が小さいうちは腕と体のズレが表面化しにくく、
フルスイングでスピードが上がると分離が拡大し、
フェースの戻り遅れや軌道のズレとして現れやすくなる、というのが編集部の見立てです。
この症状は手打ちの関与を疑うサインの1つです。
カットスライスとプッシュスライスはどう見分けますか?
出球の方向で見分けます。
目標方向かやや左に出てから右へ曲がるのがカットスライス、
目標より右に出てさらに右へ曲がるのがプッシュスライスです。
カットスライスの土台になるアウトサイドイン軌道の直し方は別記事で解説しています。
セルフチェックで手打ちの疑いが濃く出た方も、薄かった方も、長いあいだ直せなかったという事実には共通の背景があります。才能や熱意の問題ではなく、直すために頼ってきた道具立ての側の欠陥です。その欠陥の正体だけを書いた1本が、この診断のすぐ先にあります。
スライスが何年も直らない理由を知る30日間 全額返金保証つき
※練習の効果には個人差があります。本記事は一般的な練習情報の提供を目的としています。