冬のゴルフ練習は室内で差がつく|春に伸びる自宅メニュー
「寒くなってから、打ちっぱなしに行く回数が減った」「冬の間にヘタになりそうで不安」。
ゴルフの冬の練習の悩みは、だいたいこの2つに集約されます。
そして多くの方は、「寒くても頑張って練習場に通うか、春まで休むか」の二択で考えます。
この記事の結論は、そのどちらでもありません。
先に結論を書きます。
冬は練習量を守る季節ではなく、スイングの型を作り直せる季節。
私たちは、冬をそう位置づけています。
この記事では、冬の外練習で悪い癖が入りやすくなる理由から、
室内で型を作り直す12週メニュー、春に練習場へ戻る日の手順までを順に解説します。
なぜ冬の打ちっぱなしで悪い癖が入りやすいのか
意外に聞こえるかもしれませんが、
編集部は「冬に無理をして球を打ちに行くこと」自体にリスクがあると考えています。
冬も頑張って通ったのに、なぜか春先に調子を崩す人がいる。
その構図は、次のように説明できます。
冬の屋外打席では、体に2つの制約がかかります。
1つは寒さです。
気温が低いと体はこわばり、入念に体を暖めない限り、
胸や腰の回転は普段より小さくなりがちです。
もう1つは厚着です。
何枚も重ね着した上半身は、夏と同じつもりで捻ろうとしても物理的に回り切りません。
問題はここからです。
体が回らなくても、ボールは目の前にあり、ナイスショットは打ちたい。
すると足りない体の回転を、腕の振りで補うという代償動作が無意識に起こります。
腕と体がバラバラに動く、いわゆる手打ちの方向です。
しかも打ちっぱなしでは1回の練習で何十球も打ちますから、この「冬仕様の振り方」が、
反復によってそのまま体に覚え込まれていきます。
春になって薄着に戻り、体が回るようになっても、
冬の間に染みついた腕主体の動きは自動的には消えません。
冬に球を打ち込んだ人ほど、春に球筋が乱れる——
編集部はこれを「冬の逆転現象」と呼んでいます。
練習をサボったからではなく、悪い条件のまま練習を重ねたことが原因、という見立てです。
自分のスイングが腕主体になっていないかを見分ける方法は、
手打ちの直し方の記事に仕組みをまとめています。
冬を「型を作り直す期間」と定義し直します
では冬は休むしかないのかというと、話は逆です。
当サイトでは、冬を「スイングの型を作り直す期間」と定義しています。
理由は単純で、型づくりに必要な条件が、冬の室内にほぼそろっているからです。
- 結果に引っ張られない: 室内では球を打たないため、球筋という「結果」に意識を奪われず、動きそのものに集中できます
- 毎日触れられる: 移動ゼロ・暖房の効いた部屋で1日5分。寒さで可動域を落とさずに反復できます
- 壊して作り直す余裕がある: シーズン中は次のラウンドが控えているため、一時的に球筋が乱れる「型の修正」には手を出しにくいものです。ラウンド予定が空く冬は、1年で唯一、作り直しに専念できる時期です
オフシーズンにフォームを直し、シーズンで結果を出す——
多くの競技では当たり前のこのサイクルを、
アマチュアゴルファーの自宅に持ち込むのが本記事の提案です。
「冬の間の練習を我慢する」のではなく、「冬にしかできない練習をする」と考えると、
寒さはむしろ言い訳になりません。
なお、室内練習の環境づくり(スペースの確保やマンションでの音の考え方)は自宅練習の設計の記事に、
静音器具の選び方・比較は賃貸・マンション向け練習器具の記事に詳しくまとめています。
本記事は「冬という期間に何をやるか」に絞って進めます。
冬12週の室内メニューは「同調素振り」を軸に組みます
編集部が提案する冬メニューは、12週(約3か月)を3つの期間に分けます。
軸になるのは、両前腕にボールを挟んで素振りをする「同調素振り」です。
腕と体がバラバラに動くと挟んだボールが床に落ちる、という単純な仕組みなので、
冬の間に素振りが腕主体へ戻りかけても、
落ちた瞬間にその1振りで気づけます(感じ方には個人差があります)。
この同調素振りのために編集部が扱っているのが、JIKU 同調スイングボールです。
前半4週: リセット(クラブなし・ハーフスイングまで)
クラブは持たず、ボールを挟んでシャドースイングを行います。
腰から腰までのハーフスイングを1日5分。
目的はスピードでも飛距離でもなく、「腕と胸が一緒に動く感覚」を毎日確かめることだけです。
暖かい部屋で行えば、冬でも可動域を保ったまま反復できます。
中盤4週: 型づくり(振り幅を広げる)
天井や壁に余裕のある場所なら短いクラブを持ち、なければ引き続きクラブなしで、
フルスイングの大きさまで振り幅を広げます。
速く振る必要はありません。
トップとフィニッシュでボールが落ちない範囲で、少しずつ大きくしていきます。
後半4週: 出力戻し(スピードを段階的に)
型が崩れない範囲で、素振りのスピードを段階的に上げていきます。
週に1回、スマホで正面と後方から動画を撮り、前半・中盤の頃の自分と見比べると、
変化を客観視できます。
あわせて、球を転がすだけで音の問題が小さいパター練習を冬の室内に足すのも相性がよく、
組み立て方はパターミラー練習の記事で解説しています。
▲ 星野陸也のミラーを使ったショートパットドリル(GOLF NETWORK・日本語)
春、練習場に戻る日の手順
暖かくなってきたら練習場に戻ります。
ここで冬の積み上げを無駄にしないために、復帰初回の過ごし方だけは先に決めておいてください。
- 復帰1回目: ウェッジ〜ショートアイアンのハーフスイング中心。力感は5割。球筋の良し悪しではなく、「挟んで素振りしたときと同じ動きのまま当てられるか」の答え合わせに徹します
- 復帰2〜3回目: 番手を少しずつ上げ、フルスイングへ。動きが乱れたらハーフスイングに戻します
- それ以降: 練習場は週1回の「確認の場」と割り切り、型の維持は引き続き自宅の素振りで行います
▲ 【ゴルフの基本】ハーフスイングの練習方法(Tera-You-Golf・日本語)
復帰初日にいきなりドライバーで球数を稼ぐと、
せっかく冬に作った型が「当てにいく動き」で上書きされかねません。
練習場での球数の使い方は打ちっぱなしの練習方法の記事で、
スコアへの落とし込みは100切りの練習メニューの記事で詳しく解説しています。
冬の12週を型の作り直しに充てた人と、寒さで練習から離れただけの人。
春に同じ球数を打っても、
積み上がり方は変わってくるはずです(上達のペースには個人差があります)。
この冬を、我慢の期間ではなく作り直しの期間として使ってみてください。
よくある質問
冬の間、練習を完全に休むとヘタになりますか?
一概には言えませんが、感覚の間隔が数か月あくと、春の戻りに時間がかかりやすいのは確かです。
完全に休むのではなく、
1日5分の室内素振りだけでも「腕と体を一緒に動かす感覚」を保つ助けになります。
維持に必要な量や戻りの早さには個人差があります。
冬でも打ちっぱなしに行っていいですか?
もちろん構いません。
行くこと自体が悪いのではなく、
体が回らない状態のまま球数を打ち込むと腕主体の癖が入りやすい、という点に注意が必要です。
行く場合は、打つ前に十分に体を暖める、球数を絞る、
ハーフスイング中心で「動きの確認」に使う、といった工夫をおすすめします。
室内の素振りだけで、春にちゃんと球に当たりますか?
断定はできません。
素振りでの型づくりと、実際に球へ当てる感覚の調整は別の作業だからです。
この記事では、春の復帰1回目をハーフスイング中心の「答え合わせ」に充て、
段階的にフルスイングへ戻す手順をおすすめしています。
効果の感じ方には個人差があります。
寒い部屋で素振りしても効果はありますか?
できれば暖房の効いた部屋で行うことをおすすめします。
体がこわばった状態では、屋外の打席と同じ「回らない体を腕で補う」制約がかかりやすく、
室内練習の利点が薄れてしまいます。
暖かい環境で可動域を保ったまま反復できることこそ、冬に室内練習を選ぶ大きな理由です。
冬の12週は、球を打たずにスイングの型をいちから作り直せる、一年でも数少ない期間です。ただし、直らなかった原因を知らないまま作り直せば、いずれ同じ場所でまた固まります。手順はその後で間に合うので、まず癖を固まらせてきた正体のほうから読んでください。
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※練習の効果には個人差があります。本記事は一般的な練習情報の提供を目的としています。